消しゴムのカスの気まぐれヲタク日記

アイドルヲタクのカスDDによるライブレポートや備忘録です。

【感想レポ】OTONOVA2018グランプリファイナル @EX THEATER ROPPONGI

はじめに……。

書き始めたら自分でも驚くほど長文になってしまいました。まずは目次から自分の目当てのアーティストの部分に飛んで読んでください。そしてそのあとで、他のアーティストさんの部分も読んでみてください。

 

 

freshlive.tv

 

お時間のある方は、FRESH!アーカイブを見ながら読んでもらえると、わかりやすいだろう。

 

 

はじめに

 

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オンラインもオフラインも楽しめるオーディエンス参加型ライブグランプリ 

 上のうたい文句から始まった新たな賞レース≪OTONOVA≫。約半年間行われた全国規模での戦いの末、2018年6月2日EX THEATER ROPPONGIで行われたグランプリファイナルで幕を閉じた。

 

私自身は木更津発仏恥義理アイドルC-Styleのファン、シース隊の一人として会場に来てはいたが、単純にこの公演を音楽イベントとしてとても楽しみにしていた。これまで全国で行われた予選を勝ち上がり、約2000アーティストから選ばれた9組(+ゲスト4組)がパフォーマンスをするともなれば、期待せずにはいられなかった。

 

とはいうものの、当日まで他のアーティストに関しては全く予習をしていなかった。予選の映像すらC-Styleの出たもの以外一つも見ていない。ゲストアーティストであるねごとの1stアルバムを聴いたことがある以外は、どのアーティストも初見だ。だからこそ、どんな音楽との出会いがあるか楽しみだった。

 

 

今回の記事では私の心を掴んだアーティストをピックアップして感想を書いていきたい。今回取り上げていないアーティストに関しても書きたいことは山ほどあるが、まずは自分の中で特に評価の高かったアーティストのみに絞ろうと思う。あくまで音楽の知識ゼロのいちアイドルヲタクによる個人的な感想だということを頭に置いて、気楽に読んでほしい。
当日の会場の雰囲気や様子、現場で起きた(私の目で確認できた)ことなども細かく書き留めたいが、それはまた後日。

 

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最後に、「OTONOVAグランプリファイナルは勝負とか関係なく、とにかく楽しもう」そう言ってくれたC-Styleの八剱咲羅総長、潮干狩鯏さん、プロデューサーのCHIAKIさんにこの場を借りてお礼を言いたい。
あの言葉が無ければ私はOTONOVAをこんなに楽しむことはできなかっただろう。他のアーティストを見る意識もフラットにすることができたし、なによりいつも通りC-Styleのライブを楽しむことに全力を注ぐことができた。
本当にありがとうございました。

 

ライブレポート・感想

Judgement Ship

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目を覚ませ、見極めろ。

2012年12月22日、TOMONARI(Vo)、ゆめ(Gt)、太智(Ba)、ページ(Dr)の4人で結成。

2017年、メンバーの脱退により約1年の活動休止後、新メンバー C(Vo)、ナカガワ(Dr) を迎え、新体制で活動再開。

(OTONOVA2018出演者プロフィールより引用)

 北海道・東北ブロック代表として出演したJudgement Ship。

気怠さとノリの良さを兼ね備えた曲調の『Suicide Fancy』で登場。その前にパフォーマンスを行ったLOUDER、ITIとも違う独特な世界観で会場の空気を一気に持っていく。


1曲目が終わると、MC冒頭でゆめ(Gt&Vo)から衝撃の事実が告げられる。

「写真見て気付いたと思うんですけど、僕たち4人組のバンドなんですよ。んで約半年前、OTONOVA始まる直前にボーカルが抜けてしまいまして…。」

なんと本来のボーカル抜きでグランプリファイナルまで来てしまったのだ!!
ギターを担当していたゆめがボーカルも引き受け、ベースの太智とドラムスのページ3人でここまで辿り着いた。
これには脱退した元ボーカルもびっくりしたのではないだろうか、などと想像してしまった。そんな状況でも即座に態勢を作り直し、いろいろ模索中であるはずだろうがここまで完成させてきた現メンバーの三人に拍手を送りたい。
この悲劇のような出来事を乗り越えてやってきたエピソードに、グッと惹き寄せられた。

 

2曲目の『99 Country Town』で静かながらも見るものを惹き付けて離さない、Judgement Shipワールドを展開する。

3曲目『Roots』では、聴いている誰もが体を揺らしてしまう小気味良いロックを奏でる。間奏部分では「予選会でウケた」という太智(Ba)によるフリースタイルラップを披露。その場の全員がヒヤヒヤするほどグダグダなラップではあったが、「僕たちはJudgement Shipです。僕はここに遊びに来ました。なのでみんな一緒に遊びましょう、よろしくお願いします。これが福島県のロックです!!」と客を煽りうまくまとめた。

 

ラストの曲『Route118』では太智が「みなさん、愛想でいいんで手拍子でもやりましょうか。僕もやりたくはありません。」と絶妙な言い回しで客に手拍子を煽り、最後までJudgement Shipワールドから離さない。(C-Styleにも『国道127号線』って曲あるな~って思いながら聞いてたのは秘密)

 

 

遠方からの参加で自分たちのファンが全然いないアウェイ空間の中、ボーカル脱退から生まれたゆめさんの歌声は、会場の客、というより私消しカスの心にすごく響いた。
幕間に芸人の元旦ゲリラゴリラの2人が「終始ネガティブ」「ゆるい」と言っていたが、それがまたいいのだ。静かな曲調に優しい声が重なり、哀愁や親しみやすさが感じられた。

CDを買って元ボーカルの声も聴いたが、こちらは間違いなく「ロック」であった。パンクにも近いしゃがれた声は、聴いている人に曲が持つメッセージを訴えかける力がある。
ただ、私はゆめさんの歌声も好きだ。優しく静かな声が、聴く人を今度は逆に惹き付ける。Judgement Shipの世界へ引きずり込むのだ。
個人的に思ったのはアニメ「メジャー」のEDテーマなどで有名なザ・ルーズドッグスの雰囲気に似ている点だ。素人目線の"なんとなく"でしかないが、初見の私にはそう感じた。

 

演奏やボーカルは、練習すればいくらでもうまくなる(と思う)が、そのポテンシャルが感じられて、今後の動向が楽しみなバンド。現場ではとても楽しめた。

ただ一つもったいなかったのが、幕間のインタビューで「メロディーセンスが素晴らしいがそれは元ボーカルが作ってたのか」という質問(鋭い💦)に対し、「全員で作ってはいたが、元ボーカルの割合が多い」と答えてしまった点だ。出てしまった物は引っ込められないが、あそこさえ上手く誤魔化せれば審査員賞は狙えたのではないかと思ってしまう。非常に残念だ。

 

これから頑張っていってほしいバンド、Judgement Ship。またどこかでお会いしたい。

 

Judgement Shipセットリスト
1.Suicide Funcy
2.99 Country Town
3.Roots
4.Route118 

 

chouchou

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明るくてハチミツのような甘い楽曲に歌詞にはチクっと棘がある関西発ミツバチ鍵盤ポップバンド!

あなたの元へミツバチサウンドを届けます!

(OTONOVA2018出演者プロフィールより引用)

関西B・中国A・四国ブロック代表はchouchou(シュシュ)。キーボードchifimi、ベースちなつ、ドラムス吉田駿佑による3ピースバンド。

 

The Jackson 5の『I Want You Back』で一人ずつ登場すると、軽快でアップテンポな『モット』を披露。甘いルックスとは裏腹に迫力のある歌声と棘のある歌詞が、曲の魅力を一癖も二癖も味わい深いものにしている。

2曲目は一転してバラード曲『プレゼント(仮)』を披露し、会場全体に切ない恋の世界を展開する。優しく語りかけるような歌声と高い演奏能力に、その場にいる誰もが聴き入った。

 

自己紹介を終え、chifumiが3曲目『魔法使いの天使よ』のサビの部分の手拍子をレクチャー。明るい曲調で楽しい雰囲気が流れる。事前にレクチャーされたサビ部分での手拍子では会場全体に一体感が生まれた。

最後の曲は会社で働く平社員を主人公にした『イエスマン』。こちらも明るくポップな曲だが歌詞はよく聞くとしっかり棘がある。落ちサビでは再度手拍子を煽り、最後の最後まで会場を楽しませた。

 

 

chouchouも遠方からの参加で、現場にはchouchouのファンは少なかったように見えた。それでも慣れた煽りや曲も演奏能力も(ルックスも!)レベルが高く、いつまでも聴いていられる。

キーボードの入ったポップな曲を聴くとたむらぱんを思い出す(既存のアーティストに似てるとしか表現できないカスですごめんなさい💦)。『モット』なんかは特にそう感じた。

CDを買って歌詞をよく聞くと、曲調は明るいのに棘のある歌詞やネガティブな歌詞が多くて面白い。これからもいろんな曲を聴いてみたい。

 

完全に主観の物言いですが、演奏中のちなつさんがとても可愛らしかったです(^^)

 

chouchouセットリスト
1.モット
2.プレゼント(仮)
3.魔法使いの天使よ
4.イエスマン

TEMPURA KIDZ

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強烈な個性を武器に世界を飛び回る新世代ダンスボーカルユニット。
オリジナリティ溢れる自作のキレキレダンスパフォーマンスと、元気満タンな弾けるダンスサウンドに、若さと勢いが溢れ出る迫力のステージパフォーマンスを融合!目も耳も奪う超絶パフォーマンスを世界に発信中!デビュー前に制作したミュージックビデオ『CIDER CIDER』が動画投稿サイトで話題(約180万再生)となり、2013年3月に『ONE STEP』でメジャーデビュー。

(TEMPURA KIDZ Official Websiteより引用)

先に感想を書こう。もはやさすがとしか言いようのない圧巻のステージだった。

このグループのパフォーマンスをレポートするには、私の表現力では限界がある。いや、私の貧弱な表現力で書くには申し訳がない。とにかくさすがで、素晴らしいパフォーマンスだった。ただ、アーカイブもないのにこんなことではここまで来て読んでくださる方に申し訳ないので、私がTEMPURA KIDZをあの場で見て、どうしても書かなければいけないと思ったことを少しだけ書かせてもらう。

 

ゲストアーティストとして公演の真ん中あたりの時間で登場したTEMPURA KIDZだが、驚くことにこれもまたファンが少なかった。だが、今回の出場者たちと決定的に違ったのは、世界レベルでの経験値だ。活動歴の長さもあるが、完全アウェイでの客の煽り方を熟知している。OTONOVAグランプリファイナルでは他を寄せ付けない「これが世界レベルだ」というのを見せつけたパフォーマンスだった。

このOTONOVAという賞レースで発掘されたアーティストが目指すべきはこのTEMPURA KIDZのような世界で活躍するパフォーマンスだ、という指標となったのではないだろうか。
いつかOTONOVA出場者の中から世界的に活躍するアーティストが生まれ、ゲストとして帰ってくる、なんていう夢も膨らんだ。いつかこの感動を起こさせてくれるのは今目の前でパフォーマンスをしている出場者たちかもしれない。

今回このTEMPURA KIDZをゲストとして招待したのは大成功だと思う。

 

 

TEMPURA KIDZセットリスト
SE.Find A Way
1.ダンスナンバー
2.ミイラキラー
3.マスクマスク
4.Growing Pains
5.Find A Way
6.LOLLiPOP

 

C-Style

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日本で唯一のヤンキーアイドルC-Style。

地元木更津では社会現象となっている2人組。

不良である事は親に内緒で活動中!メディア出演多数!

数々の世に名を轟かせるメジャーアーティストとの共演も実現させている!

2016年には氣志團万博のPRイベントに出演、六本木EXシアターにて1,700人の前でライブをし大先輩「氣志團」さんに実力を認めてもらう。

テレビ朝日 musicるTVでも話題となり東京ドームシティホールにて「でんぱ組.inc」や「こぶしファクトリー」共演!

活動は国内に留まらず2016年10月には海外公演をモンゴルで行い2日間で約2,000人の動員。

ライブ以外にも企業のPRキャラクターや地域の活動にも積極的に参加。

また、ゼロテレビ『めちゃユル』出演時にはYahoo!検索キーワード5位にランクインしました。

(OTONOVA2018出演者プロフィールより引用)

肝心なC-Styleに辿り着くまでに相当な長文になってしまった。
なので、C-Styleに関しては別記事も作って詳しく書きたいと思う。
今回は簡単なレポート程度にしておこう。

 

「ここまで来たからには絶対うちらがてっぺん掴むぜ。OTONOVAグランプリファイナル盛り上がっていこうぜ夜露死苦!!」
そう言ってステージに飛び出してきた関東A・北陸A・北信越ブロック代表の、赤と青のヤンキーアイドルC-Styleは、バリバリのロックチューン『仏恥義理喝斗毘道(ぶっちぎりかっとびろーど)』のイントロ中も全力で客を煽りまくる。
間奏ではステージを飛び降り、フロアでファンと一体となり円陣を組みヘッドバンギング。EX THEATER ROPPONGIを余すことなくヤンキー色に染め上げる。

続いて、千葉県の房総半島を南北に繋ぐ地元ヤンキー御用達の一本道を題材にした『国道127号線』でも疾走感のあるギターサウンドに合わせキレのある歌とダンスを披露。サビでファンが共に叫ぶ「1、2、7(ワン、ツー、セッ)!!」の掛け声で、そのスピード感はより一層増していく。

 

「ここでうちらの本物の底力を見せつけてやるぜ!楽しんでいくぞ~!!」
青のロンスカセーラー服を身に纏った潮干狩鯏(しおひがり あさり)が客を煽ると、いじめ反対を目的に活動するピンクシャツデ―運動をテーマにした曲『PINK』を披露。

[みんな同じ仲間だ 力は弱きを助ける為にある]

ヤンキーアイドルだからこそ、仲間を大切にする精神やいじめという"悪"への反骨精神を声を大にして訴えていく。見た目のワルさとは裏腹な愛に溢れた歌で、会場を希望の光で包み込む。

 

そして直後の『不良の花道~天上天下唯我独SONG~』では、ノリノリのロックンロールに乗せて自由に生きることを歌い、社会に押しつぶされて自分自身を見失う人達に喝を入れる。

 

最後の『Romantic Punk Weaver』では再度フロアに降りて客と2つの大きなサークルを作って盛り上げる。
C-Style総長である赤いセーラー服八剱咲羅(やつるぎ さくら)は「来てくれてありがとう!!」と客の一人をビンタするパフォーマンスで、なんだかんだ言ってもやはり不良であるということを知らしめる。一方で、鯏は階段を駆け上がり審査員席の近くまで行っていた。客の一人一人とハイタッチをしたり、歌いながら客に話しかけるなどの破天荒ぶりで会場に衝撃を走らせる。

 

ロマパンサークルによって生まれた会場の熱気が冷めやらぬままに最後のMCを迎えた咲羅総長は、「最高のアーティストさんが集まったイベントに私たちも仲間に入れてもらえて本当に嬉しかったです」と感謝の気持ちを伝えた。最後はC-StyleのGIGでは定番の「バイバイバイセコーー」と「夢で逢おうぜ、おやすみ!」という挨拶でパフォーマンスを締めくくった。

 

 

OTONOVAの予選大会では度々惜しい順位での敗退を経験し、敗者復活枠での出場を重ねたC-Style。だがグランプリファイナルでは良い意味でいつも通りのパフォーマンスをしていた。
というのも、C-Styleはアウェイに強い。シース隊歴約半年の私にはどうしてなのかハッキリはわからないが、とにかく初見の人でも楽しませる力がある。それを今回も発揮することができた。
他アーティストのファンを巻き込んでのヘドバンやサークルを作るパフォーマンス力は、約5年の活動歴の賜物だろう。

 

幕間で繰り広げられた元旦ゲリラゴリラとのやりとりもよかった。不良キャラなのにまじめなコメントをする点を良い具合にツッコんでくれた。

 

書きたいことはまだまだあるが、また今度別の記事として書こうと思う。

とにかく最高だった。
約2年ぶり2度目のEX THEATER ROPPONGI、今回のイベント出場が、これからのC-Styleの方向性を決めるターニングポイントになるのではないだろうか。

 

C-Styleセットリスト
1.仏恥義理喝斗毘道
2.国道127号線
3.PINK
4.不良の花道~天上天下唯我独SONG~
5.Romantic Punk Weaver